近年の日本では、東日本大震災や熊本地震といった大地震が発生し、今後、南海トラフ大地震の恐れも高くなっています。これから住宅を検討される方にとっては、住宅の耐震性などが気になるポイントだと思います。
そこで今回は、住まいを検討されている方ならよく耳にする「 耐震等級 」についてわかりやすく解説していきます。
< 目 次 >
1 | 耐 震 等 級 っ て な に ?
2 | 耐 震 等 級 に は レ ベ ル が あ る !
3 | 耐 震 等 級 を 取 得 す る メ リ ッ ト
4 | 耐 震 等 級 を 取 得 す る デ メ リ ッ ト
5 | ま と め
1 | 耐 震 等 級 っ て な に ?
耐震等級とは、建物の耐震性能を示す指標のことです。これは、住宅の安全性を判断するうえで重要な基準です。阪神淡路大震災を受けて2000年に施行された『住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)』にて定められました。耐震等級は、1~3の段階に分かれており、数字が大きいほど建物の耐久制度が高くなります。また、現在では耐震基準を満たしていない建物は建てられないため、最低でも耐震等級1以上あるということになります。
2 | 耐 震 等 級 に は レ ベ ル が あ る !
耐震等級には3段階のレベルがあります。これから住宅を検討するうえで、住宅に合った等級を選ぶことが重要です。
○耐 震 等 級 1
耐震等級1は、建築基準法に基づく最低限の耐震性能を満たした建物を示します。建物を建てる場合、最低でも1を満たしていなければいけません。耐震等級1とは、きわめてまれに発生する大地震(震度6強~7)が起きても倒壊しない耐久性がある住宅のことを指します。そのため、最低でも等級1であれば、家が崩壊しないほどの基本的な安全性を確保することができます。
○ 耐 震 等 級 2
耐震等級2は、等級1の1.25倍の耐震性を備えています。すなわち、きわめてまれに発生する大地震(震度6強~7)の1.25倍の地震が起きても倒壊しない耐久性がある住宅のことを指します。
災害時の避難場所となる学校や病院などの公共施設は、耐震等級2以上であることが定められています。
○ 耐 震 等 級 3
耐震等級3は、等級1の1.5倍の耐震性を備えています。すなわち、きわめてまれに発生する大地震(震度6強~7)の1.5倍の地震が起きても倒壊しない耐震性がある住宅のことを指します。等級3は最も高い等級のため、警察署や消防署などの災害時に重要となる場所は耐震等級3を満たす必要があります。
また、2022年10月の改正により、等級3は「長期優良住宅」の認定を受けるうえでの必須条件にもなっています。
○ 耐 震 等 級 ○ 相 当 と は
住宅を考えている方などは、耐震等級○相当という言葉を聞いたことがあるかもしれません。この○相当というのは、耐震等級と同等の構造ではありますが、正式な認定は受けていないという事を意味します。
この場合、正式ではなくあくまで目安という事になります。
3 | 耐 震 等 級 を 取 得 す る メ リ ッ ト
○ 安 全 性 の 高 い 住 宅
耐震等級が高いほど、建物が地震に対して強いことが保証されます。特に大地震時の倒壊や損壊リスクが低くなるため、地震が起きた際にも安心して家で待機をすることができます。
○ 地 震 保 険 料 割 引 を 受 け ら れ る 場 合 が あ る
地震保険に入る際、耐震等級が高い建物は地震による損害のリスクが低いと保険会社側が判断するため、 耐震等級が高い建物は、地震保険の保険料が割引されることがあります。
○ 長 期 優 良 住 宅 の 認 定
耐震等級3を取得していると、「長期優良住宅」の認定要件を満たすことができます。長期優良住宅に認定されると、税制優遇や補助金を受けられる場合があるため、さらに建物の資産価値が高くなります。また、元々長期優良を取得しようと考えていた方にとっては、少しではありますが、費用を抑えることができます。
4 | 耐 震 等 級 を 取 得 す る と デ メ リ ッ ト
○ 費 用 高 く な る
耐震等級を高くするためには、構造計算の精度を上げたり、より強度の高い材料を使用するなどの必要があり、その分設計費用や施工費用が増加します。特に耐震等級3を目指す場合、かなりの追加費用がかかることがあります。
○ 工 期 の 延 長
耐震等級を取得するためには、詳細な構造計算と第三者機関による審査が必要です。この過程が必要になってくるため、工期が延長になる場合があります。また、施工段階でも厳しい品質管理が求められるため、工事が予定より長引くことがあります。
○ デ ザ イ ン の 自 由 度 が 下 が る
耐震性能を確保するためには、構造的な強度を優先する必要があるため、建物のデザインや設計に制約が生じることがあります。例えば、大きな開口部や複雑な形状の建物を設計する場合、耐震等級を維持するために設計の一部を変更しなければならないことがあります。また、造作を好まれる方にとっては自由度が下がる可能性があります。
○ メ ン テ ナ ン ス 費 用 が か か る
耐震等級を高くするために使用される強度の高い材料や技術は、一般的な建物よりもメンテナンス費用が高くなる場合があります。長期的にみると、この材料や技術によって維持費用の増加につながる可能性があります。
5 | ま と め
今回は住宅の耐震性を表す耐震等級について解説しました。
地震の多い日本にとって、住宅の耐震性は年々重要性が高まっています。安全で居心地の良い暮らしを送るうえでの参考になれば幸いです。
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