
無垢の床や塗り壁など、自然素材を使った家って素敵ですよね。一方で、家づくりの打ち合わせをしていると、「無垢材って傷がつきやすいですよね?」「お手入れが大変じゃないですか?」といったご質問をいただくこともあります。たしかにせっかく新築するなら、できるだけきれいな状態を保ちたいと思いますよね。
でも、自然素材だからといって、特別に大変なお手入れが必要というわけではないんです。
大切なのは、素材の特徴を知って、「していいこと・避けたほうがいいこと」を知っておくこと。
それだけでも、日々のお手入れはぐっと気楽になります。
今回は、自然素材の家でよく使われる「無垢材」と「塗り壁」を中心に、普段のお掃除から傷の汚れへの対処、やってはいけないお手入れまで、暮らしの中ですぐに役立つポイントをご紹介します。
< 目次 >
1|自然素材の家は本当にお手入れが大変?
結論・・・普段のお掃除は一般的な住宅と大きく変わらない!
「自然素材はデリケートだから、毎日こまめにお手入れしないといけないのでは?」と思われる方もいらっしゃいますよね。でも、無垢材の床なら、普段は掃除機などでほこりを取り、汚れが気になったときに拭く。塗り壁なら、表面のほこりを払う。基本的にはこれくらいから始めれば大丈夫です。ただし、自然素材にはそれぞれ「苦手なもの」があります。
無垢材なら水分を長時間残さないこと。
塗り壁なら強くこすらないこと。
このように、素材ごとのポイントを知っておくことが大切なんです。
▼素材ごとのお手入れの考え方▼
| 素材 | 普段のお手入れ | 気をつけたいこと |
| 無垢材 | 掃除機・乾拭き | 水分を長時間残さない |
| 塗り壁 | ほこりを払う | 強くこすらない |
| 一般的なフローリング | 掃除機・乾拭き | 水分や洗剤に注意 |
| ビニールクロス | 掃除機・拭き取り | 表面を傷つけない |
※お手入れ方法は、使用する素材や仕上げによって異なります。
つまり、「自然素材だから大変」ではなく、「素材に合わせたお手入れが必要」ということなんです。
2|無垢材の床―「乾いた状態」が基本

“無垢床は「ホコリを取る・汚れを拭く・水分を残さない」が基本にすると、日常のお手入れがしやすくなります。”
まずは掃除機やほうきなどで、床に溜まったほこりや砂を取り除きます。特に玄関から入ってくる砂や小さなゴミは、床の表面を傷つける原因になることがあります。そのため、玄関マットを置いたり、砂が入りやすい場所をこまめに掃除したりするのも効果的です。汚れが気なる場合は、床材の仕様に合わせて乾拭きします。水拭きについては、床材の仕上げによって可否や方法が異なるため、説明書やメーカーの案内を確認するのが安心です。
「無垢床だから水拭きは絶対NG」というわけでも、「無垢床なら水拭きして大丈夫」というわけでもありません。
ここは意外と大事なポイントです。
3|水・油・傷…汚れたらどうする?
“「何をこぼしたか」と「どんな傷か」を確認してから対処するのがポイントです。”
暮らしていれば、飲み物をこぼしたり、食べ物を落としたりすることはありますよね。そんなとき、慌ててゴシゴシこする必要はありません。
① 水・お茶・飲み物をこぼした場合
まずは、できるだけ早く拭き取ること。乾いた布などで水分を吸い取るように拭きます。特に長時間濡れたままにしておくと、シミや変色、木の膨張などにつながる場合があります。
② 油・調味料などをこぼした場合
油や調味料は、水だけでは落ちにくいことがあります。まずは固形物や液体をできるだけ取り除き、その後、床材のメーカーが推奨している方法でお手入れします。ここで注意したいのが、自己判断で強い洗剤を使わないこと。無垢材は塗装によっても性質が変わるため、「汚れを落としたいから」と強い洗剤を使うと、逆に表面の仕上げを傷めてしまうことがあります。
③ 物を落として、へこんでしまった場合
ここは無垢材ならではのポイントです。比較的浅いへこみであれば、木の性質を利用して目立ちにくくできる場合があります。木は水分を含むことで繊維が膨らむ性質があります。そのため、無垢材の種類や仕上げによっては、濡らしたティッシュや布をへこみ部分に当てて、木を膨らませることで、へこみを目立ちにくくする方法があります。ただし、これはすべての無垢床に適した方法ではありません。塗装によっては水分を与えないほうがよい場合もありますし、深い傷や木が削れている場合には効果が期待できません。試す前に、床材メーカーや施工会社に確認しておくと安心ですよ。
▼傷の状態と対処の目安▼
| 状態 | 対処の目安 |
| 表面の軽い擦り傷 | 専用メンテナンス材などを検討 |
| 比較的浅いへこみ | 木の性質を利用した補修ができる場合あり |
| 深い傷 | 専門的な補修を検討 |
| 木が大きく削れている | 施工会社などへ相談 |
| 水によるシミ | 原因・仕上げに合わせて対処 |
「とりあえず水をかける」「とりあえず洗剤でこする」ではなく、傷や汚れの状態を見てから対処する。
これが無垢床のお手入れで大切なポイントです。
4|ワックスは必要?無垢床のメンテナンス
“ワックスやオイルが必要かどうかは、無垢材そのものより「どんな仕上げになっているか」で決まります。”
無垢床には、オイル仕上げやウレタン塗装など、さまざまな仕上げがあります。そのため、「無垢床だから定期的にワックスを塗る」と一律に考えるのはおすすめできません。たとえばオイル仕上げの床であれば、専用のオイルやメンテナンス用品を使って、定期的にお手入れする方法があります。一方で、塗装された床では、同じ方法が適さないこともあります。
メンテナンスで大切なのは「やりすぎない」こと
自然素材のお手入れというと、何か特別なことをしなければいけないように思えますが、必要なタイミングで、床に合った方法を行う。これが一番大切です。また、家具の脚にフェルトを貼ったり、ダイニングチェアを引きずらないようにしたり、ラグやマットを適切な場所に置いたり。こうした「傷や汚れを防ぐ工夫」も立派なメンテナンスです。実は、後から補修するよりも、最初から傷がつきにくい環境をつくっておくほうが簡単なことも多いんですよ。
5|塗り壁のお手入れは「汚れ別」に考える

“結論からいうと、塗り壁は「強くこすらない」ことを基本に、汚れの種類に合わせて対処するのがおすすめです。”
塗り壁は、表面の凹凸や素材感が魅力のひとつ。そのため、強くこすると、その部分だけ表情が変わってしまうことがあります。まずは、柔らかいブラシやハタキなどで、表面のほこりを優しく落とします。手垢などの軽い汚れなら、乾いた布などで軽く拭いてみます。ただし、塗り壁材によっては水拭きが適さない場合もあります。「壁だから水拭きすればいい」と考えず、使用している塗り壁材の仕様を確認しておくことが大切です。
●こんな汚れには注意
手垢・軽い汚れ
→ まずは乾いた布などで優しく。
ほこり
→ 柔らかいブラシやハタキなどで。
クレヨン・油汚れなど
→ 無理にこすらず、施工会社やメーカーに確認。
水が染み込んだような跡
→ 無理に拭かず、原因を確認。
特に小さなお子さまがいるご家庭では、「壁を汚さないように」と神経質になるより、汚れたときの対処方法をあらかじめ知っておくほうが安心です。
6|自然素材をきれいに長く使うために
“自然素材を長く楽しむコツは「完璧にきれいに保つ」ことではなく、素材に合ったお手入れを無理なく続けることです。”
ここまでご紹介したように、自然素材は決して「何もしなくていい素材」ではありません。でも、反対に「毎日細かなメンテナンスが必要な素材」でもありません。普段は普通に掃除をする。水分をこぼしたら早めに拭く。傷や汚れができたら、状態に合った方法で対処する。そして、定期的に必要なメンテナンスをする。
このくらいの距離感で大丈夫なんです。
<自然素材の家で、覚えておきたい4つのこと>
① 水分を長時間残さない
② 強くこすったり、強い洗剤を自己判断で使わない
③ 床材・塗り壁材に合った方法でお手入れする
④ 傷や汚れができたときは、まず状態を確認する
特に④は大切です。
「傷がついた!」とすぐに補修するのではなく、
どんな傷なのか?
どんな仕上げなのか?
自分で対処できるものなのか?
を確認してからお手入れする。それだけでも、失敗を防ぎやすくなります。
7|まとめ

“自然素材は「気を遣い続ける素材」ではなく「特徴を知って付き合う素材」”
無垢材も塗り壁も、傷や汚れがまったくつかない素材ではありません。だからこそ、家族が暮らす中で少し傷がついたり、汚れたりすることもあります。でも、自然素材の家だからといって、毎日の暮らしを制限する必要はないと思うんです。「子どもがこぼしたらどうしよう」「傷がついたらどうしよう」と常に気を遣うより、「こぼしたときはこうすればいい」「この程度の傷ならこう対処できる」と知っておく。それだけで、自然素材との暮らしはずっと身近になります。そして、きちんとお手入れをしていく中で、木の色や艶が少しずつ変化していく。その変化を楽しめるのも、自然素材ならではの魅力です。「きれいなまま使い続ける」のではなく、「暮らしながら上手に付き合っていく」。そんな考え方が、自然素材の家にはちょうどいいのかもしれませんね。
〈大和建設のQ&A〉
Q|無垢床のお手入れは大変ですか?
A|普段のお掃除は、意外とシンプルです。
掃除機や乾拭きなどを基本に、仕上げにあったメンテナンスを行います。
Q|無垢床に傷がついたら、自分で直せますか?
A|傷の程度によっては、ご自身で補修できる場合があります。
樹種や塗装によって方法が異なるため、まずはご相談いただくのがおすすめです。
Q|既製品と自然素材には、どんな違いがありますか?
A|それぞれに特徴があり、暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。
既製品は品質の仕上がりが安定していて種類が豊富。自然素材は素材そのものの質感や、部分的な補修のしやすさなどが魅力です。
Q|将来、壁を補修するときはどうなりますか?
A|塗り壁は、将来的な補修方法の選択肢を残しやすい素材です。
クロスやサイディングは廃番になっている場合がありますが、塗り壁は廃番になることがないため、状態によって部分補修や塗り直しを検討できます。
Q|自然素材は、やっぱり費用が高いですか?
A|素材によって異なりますが、初期費用だけでなく将来のメンテナンスまで含めて考えることが大切です。
長く暮らす家だからこそ、費用だけでなく、お手入れや補修のしやすさも含めてご提案しています。

執筆者|saki
岡山県倉敷市で注文住宅・リノベーションを手がける大和建設スタッフ。
土地探しから設計、申請、施工までの実務をもとに解説します。
[ 岡山の工務店 大和建設 羽島のアトリエ ]