大和建設株式会社

建築のこと
2025.11.30

暮らしに寄り添う、造作建具の魅力を解説!

更新日 2025.11.30

普段の生活の中で、建具のことをあまり意識する方は多くありません。「扉なんて開け閉めできればいい」・・・そんな風に思ってしまいがちですよね。でも実は、建具はお部屋の雰囲気や使い勝手を左右する、とても大事な存在です。特に、住まいに合わせて作る“造作建具”には、毎日の暮らしが少し豊かになるような魅力があります。光の入り方が変わったり、風が気持ちよく通るようになったり。手で触れた時の木の質感が、ふっと心を落ち着かせてくれたり。このコラムでは、造作建具の魅力を暮らしの目線で、そして私たちの視点で分かりやすくお話していきます!

1|造作建具ってなに?

造作建具は、住まいや家族の暮らしに合わせて一からつくる建具のこと。既製品では出せない「ちょうど良さ」を実現できます。

オリジナルだから生活スタイルに合わせた建具デザインが可能!

▷キッチン横でスッと開く軽い引き戸

▷子どもでも開けやすい取っ手デザイン

▷音が気になる場所に合わせた素材選び

▷お部屋に合う色味やデザイン

建具は毎日触れるもの。

だからこそ、「使いやすいな」「なんだか気持ちいいな」と思える仕上がりは、暮らしの満足度を大きく左右します。

2|重要なポイントは素材選び

造作建具の大きな魅力は、素材の温かみです。特に木材の表情や手ざわりには、ほっとするような優しさがあります。ここではダイワでよく使う素材について解説します。

● ヒバ|耐久性に優れており木の香りが強い

特徴:ヒバ材には「ヒノキチオール」という成分が多く含まれており、お風呂桶にも使われるなど、腐りにくく、湿気にとても強い木材として知られています。そのため外部建具にも最適な木材です。

● タモ/ナラ|力強い木目がモダンな空間にも合う

特徴:タモ材・ナラ材は、どちらも家具や建具で人気の高い“広葉樹”です。どちらも木目がとても美しく、耐久性にも優れています。

●スプルース|細やかで美しい木目と光沢感がある

特徴:やさしい色合いで、ナチュラルな雰囲気づくりに最適な木材です。他の木材と比べると軽く、反りにくいため、加工がしやすいのが特徴です。

●シナ|加工がしやすく、やわらかい色味が特徴

特徴:スプルースと色合いが似ていて、こちらも木目が細かくなめらかな表面が特徴です。他の木材に比べて柔らかいため、外部建具より内部建具での使用が最適です。

●ラワン|北欧感のある深い色合い

特徴:深い赤みのある色合いで、木目は大きくラフな質感です。軽くて加工がしやすいため、さまざまなデザインが可能になります。

●突板|加工がしやすく自然な美しさ

特徴:本物の木を薄くスライスした仕上げ材で、天然木の質感があります。無垢材に比べて、反り・割れが出にくく安全性が高いのが特徴です。

●メラミン|衝撃に強く、耐久性に優れた素材

特徴:傷・水・熱にも強く、耐久性に優れたメラミン化粧板。お手入れがしやすいため、キッチンや洗面などの水回りの収納建具によく使用します。

木は湿度に合わせて呼吸し、少しずつ変化していく素材。光の当たり方で表情が変わったり、触れたときの温度感が違ったりします。そうした“自然な変化”が、毎日の暮らしを豊かにしてくれるのです。

3|暮らしに寄り添う“ひと工夫”

造作建具は、単にサイズを合わせるだけではなく、暮らし方そのものを心地よく整える力があります。

●動線をスムーズにする

造作建具は、ただサイズを合わせるだけではありません。家族の動き方や生活の流れに合わせて設計できるので、毎日の暮らしがぐっと快適になります。

例えば・・・

・廊下付近の扉は、ぶつからないように最適な幅に設計

・キッチンからリビングへの扉などは、片手でサッと開けられる軽さに調整

・大きな荷物も運べるように開口を広めに設定

こうしたちょっとした工夫で、「出入りがスムーズで小さなストレスが減る」暮らしになります。特に小さな子どもや高齢の家族がいる家では、毎日の動線が整うだけで安全性もぐっと上がります。さらに、引き戸や折れ戸など扉の種類を選ぶことで、開閉スペースを最小限に抑えたり、家具や収納との干渉を避けたりすることも可能です。造作建具なら、“生活に合わせた”ちょうどいい扉をつくれるのが大きな魅力です。

●光をやさしく取り込む

造作建具を使えば、窓だけではなく、扉や間仕切りを通して光の入り方を工夫できます。これにより、部屋全体が明るくなるだけでなく、やわらかい光が心地よく広がり、落ち着いた空間になります。

障子:和室だけでなくリビングや廊下にも。朝日や夕日がふんわり広がり、直射日光のまぶしさをやわらげます。

すりガラス入りの建具:視線を遮りつつ採光を確保。玄関から廊下へ光を届けたいときに便利です。

格子戸:光が格子の間を通り、影の模様を床や壁に落とします。昼間は明るく、夜はやわらかい陰影で空間を演出。

さらに、建具の位置や高さを少し調整するだけで、朝のやわらかい光を取り込み、昼間は明るく、夕方は穏やかな光で過ごせるように設計することも可能です。こうして光をコントロールすることで、日中の照明に頼らず、自然な明るさで暮らせる心地よい家が実現できます。

4|職人技がつくる上質な使い心地

造作建具の魅力は、単なるデザインや素材だけではありません。毎日触れるたびに「違い」が分かるのは、職人が手間をかけて仕上げた精密な技があるからです。

・引き戸の滑りや重さを暮らしに合わせて調整

・ピタッと揃う枠のライン

・手に馴染む丸みや角度

・組子や細工の陰影

こうした細部の仕上げは、経験の積み重ねから生まれるもの。手づくりならではの心地よさがあります。また、しっかりつくられた建具は長持ちで、“馴染み”を感じながら長年愛用していただいています。

5|事例集 暮らしに合わせた建具づくり

造作建具の施工例をもとに、暮らしに寄り添ったデザインや工夫を紹介します。サイズ、素材、使い勝手までこだわった建具の魅力を実際の事例でご覧ください。

【事例1】玄関ホールの引き戸を空間に合わせ製作

施工内容:玄関ホールの引き戸をオーダーで製作

ポイント:ロ枠デザインで圧迫感のない印象・引き手はお子さまも開閉しやすいように上下幅広く設計

効果:リビングからの光が玄関に入り込み、開放感のある空間に

【事例2】LDKに大開口引き込み戸を設置

施工内容:2枚の引き込み戸をオーダーで製作

ポイント:空間に馴染むように建具の収納扉も設計

効果:自然豊かな風景と一体感のあるLDKに。

このように、造作建具は暮らし方に合わせて形・素材・動線を最適化できるのが魅力です。既製品では叶えにくい「ぴったりサイズ」「使いやすさ」「デザイン性」を実現できます。

6|あなたの暮らしにぴったりの一枚を

造作建具は、暮らしに合わせた使いやすさ、素材の心地よさ、職人技の美しさなど、住まいをより自分らしく整えてくれる存在です。

「こんな家で暮らしたいな」その気持ちに寄り添って形にしてくれるのが、造作建具の魅力です。あなたらしい暮らしをお考えの方は、住まいの空間にあった造作建具をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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